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逆境を乗り越えるための
「前向き」の科学

ピンチをチャンスに変えるなどの逆境への立ち向かい方、人生最後に直面する死が迫った時の心の支えとはどのようなものでしょう?
​「前向き」プロジェクトでは、科学的根拠に基づき「前向き」を読み取り、個人のニーズに合わせた「前向き」をサポートすることで、「人々が主体的・自発的に生きていくための技術」を社会に届けることを目指します。

プロジェクトマネージャー(PM)
山田 真希子 YAMADA Makiko

国立研究開発法人科学技術振興機構
ムーンショット型研究開発事業 目標9
「2050年までに、こころの安らぎや活力を増大することで、精神的に豊かで躍動的な社会を実現」
ムーンショット型研究開発事業とは
ムーンショット目標9

研究コンセプト

2050年、2つのユートピアが想定できます。

一つは、痛みや苦しみなど、負の感情を体験しなくてよい無苦痛文明。ですが、果たして人間は、負の感情を排除すると幸せになるのでしょうか。個と社会は成長するのでしょうか。負の感情無くして、目標達成の幸福感や他者への思いやりを持てるでしょうか。現代文明と技術は苦痛を排除した世界の構築に向かっていますが、これはユートピアに見えて実はディストピアではないでしょうか。

もう一つのユートピアは、これまで通り人は様々な負の感情を体験しますが、それを自ら乗り越えることができる世界。アニメや映画の逆境から抜け出すサクセスストーリー、苦しい鍛錬に耐えて勝った時の感動、失恋の苦しさから抜け出して見つけた新しい恋…など、私たちは、人生において負の経験からの脱却においてこそ大きな幸福感を味わえることを知っています。

この2つ目のユートピアは、苦痛を排除するのではなく、むしろ困難に挑戦しこれを克服することに焦点を当て、逆境の中にいても受け身にならず、逆境を自らチャレンジとして引き受け、ポジティブな体験や自己実現を求めようとするしなやかなこころ「前向き」を手に入れた世界です。「前向き」な思考により逆境を乗り越えることができ、逆境を乗り越えることで幸福感が得られ、その幸福感は逆境に対してさらなる挑戦心を生み出す活力となります。

このような「前向き」の循環(ポジティブループ)は、人々に希望を与え、挑戦心や好奇心を育み続け、個の精神的成長と社会の発展をもたらします。本研究構想は、2050年、貧困などの経済的逆境、災害などの環境的逆境、パンデミック的逆境、病気などの身体的逆境、いじめなどの精神的逆境など、様々な逆境の中でも自らをポジティブな状態に導く「前向き」な姿勢を個々人が獲得し、人生の最後の瞬間までより良く生きることができるユートピアの実現を目指します。

ムーンショット目標9 研究開発プロジェクト「逆境の中でも前向きに生きられる社会の実現」
プロジェクトマネージャー
山田 真希子

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